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ハイパーカジュアルのマーケタビリティテストにおける広告クリエイティブ制作と改善について

マーケタビリティテストは、新規に開発したゲームのプロダクトマーケットフィットを検証し、できる限り低いCPIと、高いCTRとIPMを目指します。このテストでは、ユーザーの関心を引くと同時に、実際のゲーム体験に則した広告動画が必要です。幸いなことに、マーケタビリティテスト向けに効果的な広告クリエイティブを制作するための具体的なノウハウは既に揃っています。これらのノウハウを取り入れることで、マーケタビリティテストにおいて主要なKPIを達成し、リテンションやマネタイズといった次の段階に本格的に取り掛かることができるようになります。

マーケタビリティテストにおいていかに低いCPIを出せるか、Supersonicのクリエイティブチームにおける実例について、数々のヒット作におけるクリエイティブのデザインや最適化の経験豊富な動画制作責任者を務めるAlex Leshkov氏に話を聞きました。

1. ゲームを実際にプレイしてみる

マーケタビリティテストに最適な広告クリエイティブを制作するためには、ユーザーのエンゲージメントが最も高くなるポイントを把握しておく必要があります。そこで、まずは自身でゲームをプレイし、さらには開発メンバー以外の第三者にもプレイしてもらいましょう。例えば、特定のキャラクターではレベル3のプレイは楽しいものの、レベル12になると苦戦するという傾向が分かるかもしれません。そうした各レベルにおいてユーザーが抱く感情を反映した広告クリエイティブはマーケタビリティテストに活用できます。この作業を通じてクリエイティブ制作の基本的な方針が定まったら、次の段階に移りましょう。

2. まずは4種類のクリエイティブを用意

マーケタビリティテストでは、少なくとも4種類のクリエイティブを用意することをお勧めします。種類が多すぎると、どのクリエイティブがどのような理由で現状のパフォーマンスが出ているのかのが分かりづらくなるので逆効果です。

検討すべきデザイン要素として、以下のようなものが挙げられます。

  • フレーム構成とカメラのアングル
  • ゲーム操作がわかるようなチュートリアル機能 (指アイコンの表示など)
  • ゲームに最適なカラーパレットの選択(心理学的にはユーザーは青色のUIを好む傾向あり)
  • キャラクターデザイン及びその表現方法(簡素化またはデフォルメなど)
3. 最初の3秒が重要

マーケタビリティテストで配信する動画クリエイティブでは、最初の3~5秒間が最も重要です。

このごく短い時間内にユーザーの関心を引くだけでなく、どのようなゲームであるかを明確に伝える必要があります。繰り返しになりますが、マーケタビリティテストの目的は、開発したゲームのプロダクトマーケットフィットの検証です。よってユーザーがゲームの内容を正しく理解できなければ、マーケタビリティを適切に把握することはできません。4種類の広告クリエイティブを制作する際には、いずれも動画の冒頭部分を視聴しただけでゲームの内容が明確に理解できるような構成にしましょう。一般的にLTVが低いハイパーカジュアルゲームでは、その分だけできるだけ多くのユーザーを獲得する必要があるのでなおさらです。シンプルな構成とすることで、広いユーザー層を取り込むことができます。

さらにはユーザーの可処分時間をめぐる競争環境を合わせて考慮する必要があります。SNS上でコンテンツを消費しているユーザーの関心を奪った上で、ゲームの広告動画を視聴してもらわなければなりません。赤いマニュキュアが塗られた指のイラストを通じてクリックすべき場所を指し示したり、または「ここをタップ」と書かれたテキストを用意すれば、3~5秒以内でゲームの操作方法を説明することができるでしょう。また音楽や音響効果を活用することでもユーザーの注意を引き、視聴完了までつなげることができることがあります。

4. クリア失敗こそ訴求すべき

当社がマーケタビリティテストで活用した広告クリエイティブの成功事例の多くは、レベルをクリアできなかった際、つまり失敗した場面を扱っています。これらのクリア失敗シーンは、ユーザーのチャレンジ精神を刺激するだけでなく、ゲーム体験を忠実に表すという意味でも有用です。4種類以上の広告クリエイティブのうち少なくとも1つは、動画開始後3、4秒で失敗シーンを映し出した後で、動画の終了直前にユーザーがゲームをクリアできなかったことを伝えるメッセージかイメージを表示させてみてください。

ヒット作のBazooka Boyで最もパフォーマンスの高かった広告クリエイティブは、失敗シーンを繰り返し表示したものでした。マーケタビリティテストのCPIは0.15ドル。最終的にLTVは1ドルを記録しました。

5. ときには大胆に

4種類以上の広告クリエイティブのうち少なくとも1種類は、奇妙とも言えるぐらいに一風変わったクリエイティブを用意すべきです。既存の枠組みにとらわれず、ただしゲーム内容に則したクリエイティブを制作しましょう。ときには思いもよらないようなクリエイティブが高いパフォーマンスを発揮することがあります。

実践例としては、ナレーターの音声を挿入したChat Masterの広告クリエイティブが挙げられます。またAir Controlでは音響効果を活用。このゲームではさらに実在の人間がゲームのコンセプトを描き上げる模様を映し出した珍しい動画を制作しました。

6. CPIを分析

CPIは、今後のゲーム開発やマーケタビリティテストに対する示唆を提供してくれます。特定のゲームが低いCPIを達成した原因を分析し、その他のゲームにも応用できるかを検討すべきです。例えばパフォーマンスの高かった動画の上位3つが、いずれも画面上に文字テロップを表示し、さらには固定のカメラアングルを用いていれば、新規ゲームの広告クリエイティブにもそれらの方式を採用すべきです。またSensorTowerなどの分析ツールを利用して、人気ゲーム(つまり低いCPIを達成したゲーム)の広告クリエイティブを研究してみましょう。

7. FacebookのUIに最適化

一般的なマーケタビリティテストでは、ソーシャルメディアやアドネットワークを通じて広告クリエイティブを配信します。とりわけFacebookは重要なチャネルです。Facebookのユーザーインターフェースに則した広告クリエイティブを制作すれば、事実上のネイティブ広告となり、ユーザーは広告を目にしているという感覚を軽減できるでしょう。Facebookのフィードに合わせて広告のフレームを白色にするのが、ユーザーのエンゲージメントを高める上では効果的です。

さらには、サムネイル画像を設定することで、すでに動画を再生する前にゲーム内容を訴求しユーザーを引き込むことができます。サムネイル画像がない場合、広告動画は自動再生されてしまい、ユーザーはそのままスクロールして通り越してしまうかもしれません。一方でサムネイル画像が設定されていれば、ユーザーは動画広告の内容を事前に把握した上で、事実上のオプトイン形式で広告動画を視聴することになります。

ユーザーの興味を引くためには、特定の強い感情の訴求が重要です。具体的には、鮮明な背景色と印象に強く残る文言そして画像を用いて内容を表現しましょう。これらの注意点をきちんと踏まえることができれば、CPIを7~10%改善することができるはずです。

実践例の紹介

本稿では、ハイパーカジュアルゲームの広告クリエイティブを改善するための7つのアドバイスを紹介しました。最後に、これらのノウハウを上手く組み合わせることでCPIを改善させた広告クリエイティブの事例を2つほど紹介します。

まずはStacky Dashの事例です。このタイトルでは、最初に薄緑色の背景色を用いた広告クリエイティブでテストしたところ、CPIは0.41ドルでした。そこで複数の広告クリエイティブ(2.)をテストし、CPI分析(6.)を行いました。この分析結果に基づき、失敗シーンを扱った内容(4.)は維持したままで、SNS上で目立つ(7.)ように明るいピンク色を大々的に用いたデザインに変更したところ、より多くのユーザーにエンゲージすることができ、結果的にCPIは0.28ドルまで低下しました。

またChat Masterでは、指のアイコンを付けたチャット風の広告クリエイティブ(左側の画像)を用意したところ、CPIは0.40ドルでした。そこで少し変わった趣向(5.)を凝らしてみようと、実在の女性がプレイしながらチャットする模様を写したイメージを加えました。さらに失敗シーンで終了(4.)し、iOS上のチャット風になるようフォーマットを変更(2.)。その結果、CPIは0.30ドルにまで低下しました。

とにかくテストあるのみ

マーケタビリティテストでは、デザイン変更を幾度となく行ないながらテストを繰り返し、ゲームの新たな訴求方法を模索することに徹することになります。たとえ2回、3回、4回と失敗を繰り返したとしても、諦めず次のテストまたはゲームに生かすことができれば、CPIの改善につなげることができるでしょう。つまり、マーケタビリティテストとはヒット作ローンチの過程において、ゲームそのもののチューニングやクリエイティブ最適化の学習機会そのものなのです。

 

Let's put these tips to good use

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