2020年に設立されたRidggeは、トルコを拠点とする小規模スタジオです。彼らの最新タイトル「Conquer Countries」は、初めてのハイブリッドカジュアルゲームへの挑戦となりました。このゲームをスケールし、バランスを整え、収益化するには、ハイブリッドカジュアルの成功方法を理解しているパブリッシャーが必要でした。そこで彼らが選んだのがSupersonicです。
Supersonicと協力することで、Ridggeはこのゲームを有望なアイデアから意思決定ジャンルのリーダーへと変貌させることに成功しました。ここでは、SupersonicチームのインサイトとRidggeチームの才能が融合し、「Conquer Countries」がプレイヤーに愛されるゲームになるまでの軌跡をご紹介します。
世界を制覇する方法
「Conquer Countries」では、プレイヤーは5秒ごとに、自国を世界制覇へと導くための重要な決断を迫られます。外交か征服か、国民の幸福度や資源の管理か、さまざまな選択肢の中から判断を下します。
ゲームプレイの核となるのは「意思決定」です。プレイヤーは複数の選択肢から一つを選び、それぞれ異なる結果に結びつきます。そしてその結果が長期的にゲーム進行に影響を与えるため、プレイヤーとゲーム世界の間に強い結びつきが生まれます。シンプルながら洗練されたビジュアルスタイルと、世界制覇という魅力的なストーリーが加わり、成功の方程式が完成しました。

最高のアイデアはコラボレーションから
この成功の方程式を見出すまでには、SupersonicチームとRidggeの協力が不可欠でした。Ridggeは高品質でビジュアルにも優れたゲームを制作するスキルに長けていましたが、長期的な成功に向けたアイデア出しやイテレーションにはパートナーの支援が必要でした。
「Conquer Countries」の元々のアイデアはSupersonicチームから提案されたもので、同社のアイドル型意思決定ゲーム「Family Life」から着想を得ています。
「Family Life」を開発・運用する中で、プレイヤーが意思決定シミュレーションゲームを好む傾向があることが判明しました。一方で、このジャンルはD7以降のリテンションが低下する傾向があることも判明しました。これは、プレイヤーを飽きさせないために大量のコンテンツが必要で、似たような内容が多くなることでゲームプレイが単調になり離脱に繋がるからです。
しかし、プレイヤーの行動に長期的な結果が伴うことで、後半のゲーム展開に対する関心や感情的な投資が高まることも分かっていました。
このインサイトをもとに、Supersonicチームは、選択の結果が長期的に影響する意思決定型ゲームのアイデアをRidggeに提案しました。
Ridggeはその上でリアルタイム戦略の要素や帝国構築のストーリーを加えることで、独自性を持たせました。こうして誕生したのが、高いマーケティング性と収益化ポテンシャルを備えた「Conquer Countries」でした。
IAA戦略での成功
このゲームでは、5秒ごとに新しい意思決定が求められます。この意思決定の間にあるプレイの隙間は、Conquer Countriesをインタースティシャル広告(全画面広告)にとって理想的な候補でした。さらに、意思決定メカニクスを活かして、動画リワード広告の最適な配置が可能でした。具体的には、次に選択する内容を決める際、複数の選択肢がテキストボックスで表示され、最も良い結果は動画リワード視聴の先に用意されています。

広告と動画リワード広告が実装されたことで、ゲームの収益は飛躍的に増加しました。その成功の要因の一つが、ゲーム序盤で頻繁に動画リワードを配置したことです。これにより、プレイヤーのLTV(生涯価値)は高まり、決定ゲームにありがちな終盤の離脱にもかかわらず、収益性を確保できました。序盤での配置は、ユーザーが早い段階で動画リワードの価値を理解し、頻繁に視聴するようになる効果もありました。結果として、多くのユーザーがD14時点でROAS(広告費回収率)プラスとなりました。
ゲームプレイによるリテンション向上
プレイヤーのエンゲージメントと没入感をさらに高めるため、チームはゲーム内の意思決定ツリーを最適化し、選択肢に応じて枝分かれするダイナミックな質問を実装しました。さらに、プレイの予測性を下げリプレイ性を高めるため、各プレイごとに質問とその結果をランダム化しました。これにより、プレイヤーは自身の選択がゲーム進行に影響していると感じることができ、ストーリーの新鮮さも維持されました。
また、プレイヤーを長くプレイさせるために、新たな領土を追加するという形でコンテンツも拡張しました。最初は北米のみの征服でしたが、後のアップデートで世界征服が可能となりました。マップやビジュアルも最適化し、「ワールドマップ」や「グローバル征服進捗」などのフィードバックメカニズムを導入することで、勝利の達成感を明確に感じられるようにしました。
FTUE(初回体験)改善で離脱防止
ゲームプレイや収益化の最適化だけでなく、初回ユーザー体験(FTUE)の改善も、序盤でのユーザー離脱を防ぐ鍵となります。Conquer Countriesでは、プレイヤーが感じる質問の順番の不一致や、序盤の難易度が高すぎるという不満が大きな課題として判明しました。
この課題に対応するため、ゲーム序盤の質問を標準化し、序盤の難易度を下げるテストを実施しました。これにより、チュートリアル体験がスムーズになり、離脱率が低下。より多くのプレイヤーが序盤を乗り越えてゲームを継続できるようになりました。
エンゲージメント、収益化、リテンションのバランス達成
『Conquer Countries』をハイブリッドヒットに成長させるには、コンテンツの深み、収益性、そして多様性のバランスを取ることが求められました。RidggeとSupersonicのチームは協力してこのバランスを実現し、以下の成果を達成しました:
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D7時点の平均ARPUが19%向上
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平均プレイ時間が10%増加
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iOSにおけるリワード動画(RV)のインプレッションが10%増加
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Androidでは、D7時点の平均プレイ時間が8.5%増加、RVインプレッションが7.5%増加、D7リテンションが4.5%向上
Conquer Countriesは、革新的なメカニクス、収益化に対する戦略的アプローチ、継続的なテストと改善、そして信頼できるパブリッシングパートナーという要素が揃えば、ハイブリッドカジュアルゲームで成功できるということを証明しました。
Let's put these tips to good use
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