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ハイパーカジュアルゲームのプロトタイプテストを行う目的は、あなたのゲームが市場で成功し収益性のあるビジネスに発展できる証拠を得ることです。そしてその証拠を得るためには、テストを行ったあとのパフォーマンス指標を知ることが大切。

Supersonicでゲーミングのディレクターを務めるダニエル・コーエン・リッチは、ハイパーカジュアルゲームのプロトタイプをテストする際に見るべき「最も重要なKPI」を3つ紹介しています。

この3つのKPIは、ハイパーカジュアルゲームの収益やLTVを推測するのに役立つ指標です。あなたのゲームをこのままビジネスに発展させられるのか、もしくはまた一からアイデアを練り直さなくてはいけないのか、より確実に知ることができますよ。

CPI

ハイパーカジュアルゲームのプロトタイプテストをする際に最も重要なKPIは、マーケッタビリティーを表す「CPI(Cost Per Install)」です。

マーケッタビリティーは潜在的なターゲットの大きさを表していて、そのターゲットの広告インプレッションがどれだけインストールに繋がるかを示します。複数のユーザーエージェントで様々な種類のクリエイティブをテストすれば、より正確なマーケッタビリティーを知ることができますよ。

ただしプロトタイプテストは「素早く効率的に」行うようにしましょう。ビジネスに発展するプロトタイプを見つける前に資源を使いすぎることは避けたいものです。

特にSNSでプロトタイプテストを行いマーケッタビリティーを分析する際には、CPIが最適な指標でしょう。CPIが低ければ、多くのユーザーがあなたのハイパーカジュアルゲームを理解し楽しんでいると分かります。またこれは、予算内でプロトタイプの規模を拡大できるという意味でもあるのです。

ハイパーカジュアルゲームでは、とても多くのオーディエンスにプレイしてもらう必要があります。そのため、低いコストで多くのユーザーを獲得できる必要があるのです。

32円($0.30)以下のCPIを目指せば、あなたのハイパーカジュアルゲームがユーザーに好まれる可能性が高まります。これくらいのCPIがあれば、CPIを下げることではなくリテンションやプレイ時間などの、ゲーム内のKPIを改善することに集中できるでしょう。

ソフトウェア開発キット(SDK)を使用している場合は、IPM(Installs Per One Thousand Impressions/1000インプレッションにつきインストールされた数)を計測するべきです。IPMが高ければマーケッタビリティーが高いと読み取れます。「プロトタイプテストの平均IPM」と「平均よりも高いIPMを記録したアプリのソース数」に注目して分析してみてくださいね。

APPU

APPU(Average Playtime Per User)はSupersonicが作成したKPIで、ゲームのLTV(Life Time Value/1ユーザーあたりの平均プレイ時間)をより正確に推測する指標です。

LTVはマネタイズ戦略を立て、より多くの収益をもたらすプレイヤーを獲得するのに役立ちます。ただしLTVでは、広告を配信するまで、各ユーザーが平均どれだけの収益を上げるのかが不明です。

その点、APPUではマネタイズする前に「ユーザーの平均プレイ時間」を教えてくれます。計測期間はライフタイム(ユーザーがアプリをプレイした期間すべて)でも、インストールしてから7日間などの特定の期間でもOK。

しかもたった数秒で計測が完了します。ユーザーのプレイ時間が長ければ長いほど広告が多く再生され収益が発生するため、APPUはLTVを最も正確に推測できる指標です。

そんなAPPUの計算方法は以下の通りです。

プレイ時間 D0 + リテンション D1  ×プレイ時間 D1* + D2*

下記の表で例を見てみましょう。

ここでは、APPU D7は広告インプレッションの累積を示しています。ハイパーカジュアルゲームのAPPU D7が低ければ、累計広告インプレッションが低く、LTVも低くなる可能性が高いのです。

今回の例ではAPPU D7が2,600秒以上なので、ユーザーがゲームを長時間プレイしていて広告を多く再生していると読み取れます。APPU D7が高ければ、LTVも高くなる可能性が高いです。

一般的には2,000秒以上のAPPU D7を目指すといいでしょう。APPU D7が2,000秒以上なら、そのハイパーカジュアルゲームはソフトローンチに必要な収益力があると判断できます。

リテンション

ハイパーカジュアルゲームではユーザーに長時間プレイしてもらい、マネタイズのチャンスを増やしたいものです。そこで「リテンション」はユーザーの生涯価値を高めるのに大きな役割を果たします。

Androidでは基本的に38%以上のリテンション率 D1を目指すといいでしょう。38%以上という水準はAPPUにおいても良いベンチマークになります。

プレイ時間が長くリテンションが高いとLTVが増加する事実は、高い収益を上げアメリカのiOSでトップ5になった「Draw the Line」の例で明らかになっています。このハイパーカジュアルゲームでは、テスト時のリテンション率 D1がなんと51%でした。

CPIは42円($0.38)と高かったのですが、高いリテンション率がそれでもゲームが愛されプレイされていることを示していました。明らかにポテンシャルがあったのです。

さらにクリエイティブを反復しマネタイズ戦略を最適化することで、リテンション率 D1は46%と高いまま、CPIを23円($0.21)にまで下げることに成功しました。D7 リテンション率は12%を超え、広告配信後もプレイ時間は900秒台にまで増加しています。

これらの見事なKPIは、ハイパーカジュアルゲーム「Draw the Line」の収益性を維持したまま規模を拡大させる手助けとなり、トップチャートにまで上り詰める要となったのです。

自信を持って進もう

ハイパーカジュアルゲームのデベロッパーなら全員、今回紹介した3つのKPIに着目するべきでしょう。これらはマーケッタビリティーとLTVを最も正確に推測できる指標です。

また、CPI・APPU・リテンションは、リリースに向けて次のステップに進むべきか、また一からアイデアを練り直すべきかを決める判断材料になります。

次のステップに進む場合は、確かなデータを元に決断しましょう。確かなデータがあれば、あなたのハイパーカジュアルゲームが規模を拡大し、収益を得られる可能性が高いことを自信を持って感じられますよ。

Let's put these tips to good use

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