「開発者スポットライト」シリーズでは、ハイパーカジュアルゲームのトップ開発者に焦点を当てアイデア考案からゲームデザインまで成功のヒントを共有していただきます。このシリーズの初回は、Stairway to Heaven、Idle World、Doglife Simulatorなどのヒット作を手掛けるモバイルゲームスタジオ、Funcell Gamesの創設者のAbhishek(以下AB)Malpani氏にお話を伺いました。
最近ヒットしたPerfect Lieは、SupersonicでAndroidで2位に達し、数億のダウンロード数を達成するなど、ABとFuncellチームは素晴らしいゲームアイデアを継続して考え出す能力を証明しています。ここでは、スタジオの規模を問わず、新しいハイパーカジュアルゲームのコンセプトを考案し、プロトタイピング中に効率を最大化するためのヒントを紹介します。
過去の実績、有料ランキング、その他のプラットフォームからインスピレーションを得る
ゲームのアイデアがまったく何もないところから出てくることは、まずありません。例えば別のゲームや、現実に存在する物体など、他の何かに触発されることが多いです。ライト兄弟も、鳥がどのように飛ぶかを観察していて飛行機というものを思いつきました。
Funcellでは、次の3つの場所からインスピレーションを得ています:
- 過去の実績 - 2010~2018年のモバイルゲームを見る
- 有料ランキング - 有料ゲームの上位を見る
- その他のプラットフォーム - 他の開発者がRedditやitch.ioなどのウェブサイトにアップロードしたゲームを探索する
一つ一つ、さらに掘り下げていきましょう。
2010~2018年に遡る
2010~2018年は、現在のハイパーカジュアルタイトルを刺激することができる洗練された魅力的なゲームが多く出てきたときでした。これはハイパーカジュアルの台頭前の時代であり、このようなゲームの多くは、ハイパーカジュアルのオーディエンスに適応できる素晴らしいテーマとコンセプトを持っています。
例えば、数字パズルゲーム2048は2014年に公開され、すぐに成功を収めました。私たちは、このコンセプトにハイパーカジュアルゲームとしての可能性があると考え、このテーマからインスピレーションを得て、よりシンプルなメカニックでスナッカブルなゲームプレイで、ハイパーカジュアルプレイヤー向けにデザインしました。
早期のモバイルゲームを見ると、現在のハイバーカジュアルヒットのインスピレーションになります。後は、メカニックをシンプルにし、コンテンツを消費できるようにし、ハイパーカジュアルオーディエンスに適応させるようにするだけです。
課金ユーザーのロイヤリティを活用
有料ゲームの収益は、モバイルゲーム全体の収益の4%に過ぎないため、これらのゲームをインストールするユーザーは少ないものの、するユーザーは大変な意欲を持ってそうしています。
"有料ゲームのチャートのトップに到達したゲームは、そういった忠実なファンを引き付ける何か正しいことをしているはずです。"
- Funcell Games創業者Abhishek Malpani氏
有料ゲームのチャートのトップに到達したゲームは、そういった忠実なファンを引き付ける何か正しいことをしているはずです。ですから、このようなゲームチャートを確認し、無料でプレイできるハイパーカジュアルヒットになる可能性がありそうなコンセプトを引き出します。
他のプラットフォームでゲームを探索する
多くの開発者は、ゲームの大まかなプロトタイプをRedditやitch.ioなどのサイトにアップロードして、プレイヤーの初期のフィードバックを得たり、ユーザーが楽しめるようにアイデアを共有したりします。この多くはPCまたはウェブベースのゲームですが、それでもハイパーカジュアルのアイデアのインスピレーションになります。私は、毎週数時間このようなサイトをブラウズしてアイデアを絞り出すようにしており、チームにもそうするよう勧めています。
私たちのヒット作Stairway to Heavenは、itch.ioで観たゲームからインスピレーションを得たものです。そこで得たコンセプトを中毒性の高いハイパーカジュアルゲームに転換し、その結果4,000万以上のインストールを達成しました。
"Stairway to Heavenは、itch.ioで観たゲームからインスピレーションを得たものです。それをハイパーカジュアルゲームに転換し、その結果4,000万以上のインストールを達成しました。"
- Funcell Games創業者Abhishek Malpani氏
インスピレーションを得るためにモバイル以外の新しいプラットフォームに手を伸ばすことにより、ハイパーカジュアルオーディエンスに合わせてスケールアップできるユニークなアイデアを見つけることができます。
単独開発者としてどの程度のプロトタイプを作ることができるか
現在、私は約100人のチームで働いていますが、最初はこれよりはるかに小さなグループでゲーム開発を始めました。ですから、大規模で確立された組織よりも少ないリソースでアイデアを出し、試作することに馴染みがあります。
スケーラビリティを最優先
当初はコストがかかるため、プロトタイプのテストを無制限に実行することはできず、最もマーケタビリティが高くスケーラブルなゲームを検討する必要がありました。限られた資金で作業するソロ開発者やインディーゲームの開発者へのアドバイスは、アイデアのスケーラビリティを考慮することです。
素晴らしいコンセプトは何百と見つかるかもしれませんが、すべての良いアイデアを、収益性の高いハイパーカジュアルゲームに成長させることができるわけではありません。進行と、ユーザーのリテンションを確保し、プレイ時間を増やすのに十分なコンテンツを構築するにはどうすれば良いかを念頭に置いてください。
"進行と、大量のコンテンツを構築するにはどうすれば良いかを念頭に置くことで、アイデアのスケーラビリティを検討してください。"
- Funcell Games創業者Abhishek Malpani氏
これはあらゆる規模の開発者に当てはまりますが、小規模のチームは特に最優先すべきことです。スケールアップが困難なゲームのテストに予算を無駄にすることはありません。
テンプレートの活用
加えて、より迅速に、かつコストを抑えながらプロトタイプを作成し、知識のギャップを埋めるのに役立つリソースとテンプレートを探すことをお勧めします。
ゲームの開発を始めた頃は、コーディングには非常に長けていた一方、UIやデザインの経験はあまりありませんでした。Unityで利用できるようなアセットを使用すると、デザインの経験がそれほどなくても、洗練されたプロトタイプを効率的に構築できます。このようなアセットとデザインテンプレートはプロトタイピングのプロセスをはるかに迅速かつ簡単にするため、スキルを伸ばし、チームが拡大した今でも使用しています。知識やリソースのギャップは、パブリッシャーと連携することでも埋めることができます。
大規模なチームとして役割を分けて攻略する
チームが成長した今、課題は、業務の適切な部分にリソースを向け、すべてのチームメンバーが生産的であるようにすることで、効率を最大化することです。
柔軟性の維持
Funcellには、モバイルジャンル別にチームがありますが、すべてのチームメンバーは柔軟で、他のジャンルの開発にも熟練しています。例えば、パズルゲームがチャートを上っていることがわかったら、そのジャンルのプロトタイピングとゲームの構築に、より多くのリソースとチームメンバーを配置するようにします。
私たちはさまざまなジャンルのゲームを開発しているため、柔軟性を維持し、チームが多くのタイプのゲームを設計できるようにすることは大変役立ちます。これはまた、ハイパーカジュアルの観念に新しい視点をもたらすのに役立ちます。うまく機能した別のジャンルのテーマ、メカニック、またはコントロールを見いだし、ハイパーカジュアルのヒット作のインスピレーションにすることができる誰かがいるということです。
実際、私たちは最近、テストチューブを並べ替えるカジュアルパズルゲームにインスピレーションを得て、ハイパーカジュアルタイトルに変えてみました。テーマを守り、ゲームプレイをシンプルにし、服を縫うというミニゲームを追加することでハイパーカジュアルのひねりを加えました。
定期的なミーティングでの確認
開発中のすべてのチームやゲームを追跡することは困難です。ですから、私たちは毎日ミーティングを開催しています。まず、チームリーダーと確認し、高いポテンシャルを示したゲームに対する追加のコールをスケジュールします。
"どのゲームが潜在能力を示しているかを理解すれば、そこにより多くのリソースを割り当て、それを構築するスピードと効率を向上させることができます。"
- Funcell Games創業者Abhishek Malpani氏
これはプロトタイピングの段階で重要です。なぜなら、どのゲームが潜在能力を示しているかを理解すれば、そこにより多くのリソースを割り当て、それを構築するスピードと効率を向上させることができるからです。特にハイパーカジュアルでは、競合他社によるクローンのローンチに先んじるスピード性が重要です。
現在取り組んでいること
ハイパーカジュアル市場で、CPIが高く、つまりLTVも高いゲームへの移行を目にしています。そこで、ユーザーにより長くプレイさせ続けるために、より深く複雑なゲームを構築し始めています。
今のところ、これはジャンルを混在させているように見えます。例えば、次の要素を組み合わせたハイパーカジュアルゲームに取り組んでいます。
- ホームデザインパズルゲーム
- 意思決定物語ゲーム
- 建設放置系ゲーム
私たち開発者は、ジャンルに縛りついてはならないと思います。人がほしがるものを作るべきです。後々良いメトリックと高いLTVのハイパーカジュアルゲームのヒット作を作り出すには、ジャンルの組み合わせを試し、どの組み合わせがユーザーを魅了するかをテストすることでしょう。
Let's put these tips to good use
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