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マーケタビリティテストで目標とするCPIを達成することができたら、次はいよいよソフトローンチです。テストマーケティング環境にて最適化を行うことにより、過剰な広告費の抑制、クオリティの向上や学習期間の短縮を実現することができます。また、複数のUAチャネルにおいて横断的に最もパフォーマンスの良いクリエイティブの傾向を把握することができます。グローバル展開において様々なUAチャネルにて本格的な投資を行う前段階として非常に重要なステップとなります。

そこで今回は、Supersonicのクリエイティブ責任者を務めるAsaf Prager氏の協力を得て、ハイパーカジュアルゲームのソフトローンチでユーザー獲得とROASを最大化させるための動画クリエイティブの制作及び最適化に関する重要点をまとめてみました。

デザインはシンプルかつ魅力的に

ハイパーカジュアルは、万人受けすることを想定して確立されたゲームジャンルです。よってソフトローンチを実施する際には、できるだけ幅広い層を対象とする必要があります。動画クリエイティブを出来る限り単純明快に、そして興味を引きつけるようにしておくことで、年齢や性別を問わず、誰もが動画再生後の数秒間でゲームの楽しみ方や操作方法を理解できることでしょう。簡潔で、明確で、ゲームの魅力を訴える広告クリエイティブを制作する上では以下の点に留意する必要があります。

  • OSや端末機種に左右されないために、クリエイティブ内の主要なコンテンツはできるだけ明確かつ大きく表示する
  • 背景とキャラクターのコントラストをしっかりとつける
  • 危険を象徴する赤色は敵や障害物、安全であることを暗示する緑色は進行方向の提示や味方チームに使うなど、一般的な色使いに配慮する
  • 特定ユーザー層との結びつきを連想させるテーマの使用を避ける(宇宙船=SFファン、ホラー=ホラー映画ファン)。ユーザーが第一印象で「このゲームは自分向きではない」と決めつけてしまわないように気を付ける
  • 動画視聴後もターゲット層の心に残るような印象的な音声効果を活用する。動画のコマと一致するようなBGMのリズムを取り入れ印象を最大化
  • 幸福感や良い思い出を想起させるような明るい色を使用する

当社は、絵文字を用いた連想ゲームであるEmoji Puzzleのソフトローンチ時にこれらのルールを実践することで、ゲームプレイとキャラクター。単純明快なゲーム体験、印象的な音楽、明るい配色などを組み合わせることで、Emoji PuzzleはGoogle Playの人気チャート2位を獲得。CPIは0.22ドル、D1のリテンション率は47%、LTVは0.60ドルを達成しました。





拡散されやすい動画を制作

ハイパーカジュアルゲームの画面上には、実に多くの動画広告が流れます。だからこそ、他の動画広告とは一線を画し、またユーザーの心をつかむものを制作しなくてはなりません。友達から「これ見てみて」といった感じで送られてくるような、もしくは思わず友達に見せたくなるような、ユーモアに富んだ内容が求められます。その好例がBazooka Boyです。開発元のLightneer社と一緒になり、このゲームに特徴的なユーモア要素を前面に押し出したクリエイティブを制作しました。跳弾など、ユーザーが予測できない面白い要素がこのゲームにはたくさん詰まっています。これら特徴的な要素を十二分に反映したクリエイティブを用意し、ユーザー獲得キャンペーンの最適化とゲーム自体の最適化を図ることで、Bazooka BoyはCPIが20セント以下、LTVは1ドル以上、プレー時間は1200秒、D1のARPUは0.40ドルを達成しました。

失敗シーンを有効活用

私たちの脳は、できるだけ迅速に課題を解決すべくプログラミングされています。こうした脳の構造的な特徴のおかげで、初期のレベルで失敗する模様を描写したクリエイティブを目にしたユーザーは、自分であればもっとうまくできるはずだと思い込んでしまう傾向があるようです。

つまり失敗シーンを捉えた広告クリエイティブを視聴したとき、ユーザーはスマートフォンを奪い取り、自らプレーしたくなるのです。容易いように思えるタスクをなぜ失敗したのかを分析したいと考えるユーザーもいます。Join Clashでは、プレーヤーがレベルをクリアできなかった失敗シーンを描写した上で、プレーヤーがいかに残念がっているかを示すテキストを用意しました。このクリエイティブが功を奏し、Join Clashは米国のiOSとAndroidで2位、1億5000万インストールを獲得し、LTVは2倍増を達成しました。

リラックス効果も重要

多くの人々が、日々の生活で疲れを覚え、そして癒しを求めています。癒しを求めるユーザーは、視覚及び音響効果やユーザーのアクションに対する感情的なフィードバックを通じて満足感、達成感、リラックス効果を与える広告クリエイティブを好みます。黒板を消したり、ビーズをきれいに並べたり、様々な形を組み合わせるといった整理整頓に相当する作業は、本能的な満足を与えるはずです。

こうした満足感を広告体験として得る上では、落ちているものを拾う、ジャンプする、切る、撃つといった単純な作業が向いています。その典型例がBead Sortです。このゲームでは、ビーズを色ごとに整理するという内容になっています。そこで動画クリエイティブにおいてもこのゲームが与える満足感に焦点を当てたところ、米国チャートのiOSとAndroidで1位を獲得し、1000インプレッションあたりのインストール数(IPM)は45以上を記録、LTVは20%向上しました。

ユーザーの興味を引きそうなあらゆる要素を検証

幅広い層を対象としたソフトローンチを展開すると、ユーザーの好みが大きく分かれる場合があります。例えばキャラクターの性別や、舞台が都市か森林であるかによって、好意的な反応を示すユーザーとそうでないユーザーがどうしても分かれてしまいます。そこでレイアウト、配色、構図、場面などを適宜変更することで、どのような組み合わせが最も多くのユーザーに評価されるかをテストしてみましょう。

Hide ‘N Seekの動画クリエイティブを制作した際には、配色、構図、そしてゲームのテーマとなる迷路の種類を変更した上でテストを実施。1週間弱のソフトローンチ期間中に最適なクリエイティブを特定し、グローバルローンチで最大限に活用することができました。こうした最適化の結果、このゲームはグローバルローンチ後にGoogle Playのチャートで1位を獲得、リテンション率は48%、プレー時間は33%向上しました。

ソフトローンチからグローバルローンチ

ソフトローンチ段階でクリエイティブの最適化を図ることが、グローバルローンチでの大きな成功につながります。当然のことながら、ゲームの魅力はそれぞれ異なります。オーディエンスへエンゲージするクリエイティブは、イライラするようなもの、カタルシスを含むもの、もしくはユーザーが今まで見たこともないような新しいゲーム性かもしれません。様々な訴求をソフトローンチ期間中に検証することで、グローバルローンチ時に即座にスケールして利益を最大化することができるようでしょう。

 

Let's put these tips to good use

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