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アメリカのハイパーカジュアルゲームのLTVは、平均で66〜165円($0.60 - $1.50)です。人気のゲームは、マネタイズ戦略を最適化し、リテンションを改善することでLTVが高くなっています。

LTVが高ければ高いほど収益性を保ちながらユーザーの獲得に時間を費やし、速いスピードでゲームの規模を拡大することができます。特にハイパーカジュアルゲームは寿命が短いため、LTVの改善は重要な課題です。

そこで、Supersonicの成長部門リーダー、サマンサ・ベンジャミンに、普段デベロッパーに伝えている「LTVを改善するコツ」について話を聞きました。

1. 微調整をしてリテンションを改善させる

ハイパーカジュアルゲームでは頻繁に、LTVの代わりにARPU(Average Revenue Per User)が使用されます。ハイパーカジュアルゲームのLTVは30〜60日間と短い期間であるため、多くの場合、D30-60のARPUはLTVと同一の値になるのです。利益(Revenue)を増やすことは、LTVの改善に直接影響しています。

ここではLTVとARPUが同じとみなしましょう。ハイパーカジュアルゲームでリテンションが最も高い期間は始めの7日間なので(始めの7日以降も残るユーザーはたったの12~13%)、この7日間のうちにLTVをブーストすることを目指すべきです。そして、この期間を延長し、利益を最大化するためには「リテンション」に目を向ける必要があります。

リテンションを改善すると、より多くのユーザーがより長時間ゲームをプレイしてくれます。するとマネタイズする機会が増え、最終的にLTVを改善できるのです。

リテンションを改善するには、ユーザーが離脱する直前のレベルを見るところから始めましょう。

問題となっている点を識別することで、そのレベルを排除もしくは変更することができます。他にも個性的なコンテンツを追加するのがおすすめです。新しい特徴やデザインはプレイ時間に大きな影響を与え、LTVを改善させる可能性があります。

例として、ハイパーカジュアルゲーム「Emoji Puzzle」は、Supersonicと協力しゲームに変更を加えたところ、たったの6週間でAndroid2位になりました。

レベルを追加してミニゲームを取り入れ、プレイ方法をシンプルにしたことでD1リテンションが47%に改善したのです。ユーザーがゲームを長時間プレイした証です。ユーザーが増え、プレイ時間が増えたことでLTVも66円と高くなっています。

ちなみに、成功したハイパーカジュアルゲームの平均的なリテンションとプレイ時間は以下の通りです。

D1平均リテンション = 42%

D7平均リテンション = 12%

プレイ時間 = 700秒以上

ぜひ上記のデータを参考に、あなたのハイパーカジュアルゲームが軌道に乗っているか、それともさらに微調整・最適化をし続けてリテンションとLTVを改善させるべきか、確認してみてくださいね。

2. インタースティシャル広告でA/Bテストをする

インタースティシャル広告はハイパーカジュアルゲームの収益化において重要な役割を果たします。

そんなインタースティシャル広告のA/Bテストを行うことは、「スイートスポット」を発見するのに必須。スイートスポットとは、的確なタイミングで最適な量の広告を配信し、リテンションに大きく影響を与えずにARPDAUやLTVを改善させるポイントのことです。

インタースティシャル広告のテストを行う方法は、タイミングごと、レベルごと、レベル終わりなど、いくつかあります。ハイパーカジュアルゲームのインタースティシャル広告では、以下のKPIを意識してA/Bテストを実施しましょう。

エンゲージメント率 = 80%

ユーザーごとのインプレッション = 6

eCPM = 2,300円($21)

インタースティシャル・クールダウンタイマー

インタースティシャル広告のタイミングをテストすれば、ユーザーが活発でエンゲージメントが高くなる時点を知ることができ、ユーザーごとのインプレッション率も最大化するでしょう。

また、ハイパーカジュアルゲームによってレベルの長短が異なるので、クールダウンタイマーの長さごとにA/Bテストを行うと良いでしょう。例えば、あるゲームでは15秒タイマーのLTVが高くても、他のゲームでは45秒の方が良いことがあるのです。

インタースティシャル広告ではどのゲームにも通用するような最適な配信時間はありません。そのため、テストを行い、自分のハイパーカジュアルゲームに合った設定を見つけることが重要なのです。

インタースティシャル広告を表示するレベル

どのレベルでインタースティシャル広告を表示するかテストすれば、またエンゲージメント率も変わります。このテストをする際は、あなたのハイパーカジュアルゲームの平均プレイ時間を考えましょう。プレイ時間が長いほど、高いレベルでインタースティシャル広告を表示して多くの収入を得られるのです。

ハイパーカジュアルゲーム「Bazooka Boy」は長いリテンションを誇る良い例です。このゲームでは、プレイ時間が長い分、ユーザーが高いレベルにまで進んでいました。そのため、インタースティシャル広告を高いレベルで表示することにしたのです。

レベル3ではなくレベル8でインタースティシャル広告を表示すると、高いレベルに進んでいるユーザーは既にゲームにハマっているため、エンゲージメントが高くなりました。

インタースティシャル広告をゲームプレイの初期に表示すると、リテンションに悪影響を及ぼす可能性があります。この点、ハイパーカジュアルゲーム「Bazooka Boy」では、広告を後で表示することによりプレイタイムが1,200秒にまで到達し、LTVが110円($1)以上にまで改善しました。(ハイパーカジュアルゲームの平均は66〜110円[$0.60 - $1.00])

インタースティシャル広告のレベル終わりテスト

前述のように、インタースティシャル広告は通常、レベル終わりに表示されます。しかし、レベル終了画面(ユーザーがレベルを達成したあとにパフォーマンスを表示したり報酬を与えたりする画面)の前に表示されることが頻繁にあるのです。

インタースティシャル広告のレベル終わりテストを行うときは「レベル終了画面の前に広告を表示(ユーザーがX秒間広告を再生していない場合)」vs.「レベル終了画面の後に広告を表示(ユーザーが報酬型の動画や他の広告をX秒間再生していない場合)」の2つをテストし、結果を比較しましょう。

3. 動画リワード広告の配置をテストする

動画リワード広告はオプトインのため、LTVの改善に役立つことが多いです。さらに、ユーザーが楽しんで動画を再生するので、広告主もより多額の広告費を支払います。

動画リワード広告のさまざまな配置を試せば、ユーザーのエンゲージメントが高くなり、LTVを改善させる配置を発見できるはずです。

ここでは、最も使われている動画リワード広告の設置場所を4つ(経済関連、進捗報酬、運試し、スペシャルコンテンツの解放)紹介します。

経済関連の動画リワード広告

ゲームの経済(例:通貨を稼ぐこと)に直接関連する動画リワード広告は、このカテゴリーに当てはまります。よく使われる例としては、動画を再生することで報酬を3倍にできたり、別の通貨を獲得できたりするものです。

特にアプリ内の通貨が重要なハイパーカジュアルゲームでは、レベル終わりに報酬を与えるこの配置でエンゲージメントが高まる可能性があります。

進捗報酬を与える動画リワード広告

進捗報酬を与える動画リワード広告は、ゲームを大きく進めるアイテムや機能などの報酬を与えることで、プレイヤーがより高いレベルに到達する手助けをします。例えば、動画を見ることでレベルをスキップできるなど、ゲームプレイに直接関係する報酬を与える広告配信方法です。

ハイパーカジュアルゲーム「Wheel Scale」では、ユーザーが動画を再生することで次の車輪(Wheel)ゲットに20%程度近づくことができます。動画リワード広告を再生し続けて進捗バーを100%にすることもでき、すると新たな車輪が獲得できます。普通にゲームをプレイするのとはまた違った利点も与えており、ゲームプレイに有利になるよう工夫もされています。

運試しの動画リワード広告

運試しの動画リワード広告は、カジノ形式もしくはサプライズ形式で、運試しをさせる動画です。一般的なものでは、動画を再生するとルーレットを回せたり、賞品や報酬を選べたりするものがあるでしょう。

動画リワード広告に運試しの要素を入れるとユーザーをゲームに引き込むことが可能です。また、ハイパーカジュアルゲーム「Join Clash」のように、ゲームプレイ自体と運試しの相性が良いこともあります。

スペシャルコンテンツを解放する動画リワード広告

動画の再生でスペシャルコンテンツを解放すると、ゲームの重要なポイントにおいて、プレイヤーをブーストできます。例えば、ボスレベルで新たな道具をアンロックしたり、ボーナスレベルをアンロックしたりすることでユーザーを引き込めるでしょう。

スペシャルコンテンツを解放できるという報酬には大きな価値があります。そのため、このような動画リワード広告は、高いレベルで表示したり、報酬を受け取るまでにいくつか動画を再生させたりするとエンゲージメント率が改善するはずですよ。

ハイパーカジュアルゲームのLTV改善に真正面から立ち向かう

ハイパーカジュアルゲームのLTVの寿命は短いです。しかし、ユーザーひとり一人の価値を改善させてARPUを迅速に最大化することで、その寿命を長引かせることは可能なのです。

今回紹介した、リテンションを改善する方法やインタースティシャル広告と動画リワード広告を最適化する方法を参考に、ユーザーを引き込み、より効率的に収益化してLTVを改善させましょう。

Let's put these tips to good use

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